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銀行融資とは?:基礎知識からメリットやデメリット、銀行融資の流れまで徹底解説
- 公開日:2025年3月 6日

企業を経営する上で、資金調達は避けて通れない重要な課題です。多くの経営者が、事業拡大や運転資金の確保のために、銀行融資を検討することでしょう。しかし、銀行融資について十分に理解していないかたも少なくありません。そこで、この記事では、一般的な銀行融資に関する基礎知識からメリットやデメリット、銀行融資の流れまで、幅広く解説していきます。
目次
法人や個人事業主が利用できる融資の種類
融資には複数の種類があり、事業規模や目的に応じて選択することが重要です。主な種類としては、以下の4つが挙げられます。
1.銀行融資(プロパー融資)
銀行などの金融機関から企業へ直接融資を行う融資形態で、信用保証協会(第三者機関)の保証を付けずに行う融資です。借入の限度金額が大きく、比較的低金利であるという利点があります。その一方で、返済不能の責任を銀行が負うため、厳しい審査が実施されます。そのため、銀行融資を受けるには高い信用力が必要となり、中小企業や創業期の企業とっては融資を受けることが困難な場合があります。
2.信用保証協会の保証付融資
公的機関である信用保証協会が保証人となることで、銀行からの融資を受けやすくする融資です。保証付融資では、借主の返済が滞った場合に、借主に代わって信用保証協会が金融機関に立替えを行います。保証付融資は担保や保証人の確保が難しい中小企業や個人事業主にとって有効な選択肢となります。ただし、保証料が必要となるため、総コストを考慮する必要があります。
(参考:一般社団法人全国信用保証協会連合会 https://www.zenshinhoren.or.jp/basic/)
3.ビジネスローン
事業資金を目的とした融資で、比較的小規模な資金調達に適しています。審査基準は保証人や担保が不要であるなど銀行融資ほど厳しくないことが多く、迅速な資金調達が可能です。ただし、金利は銀行融資よりも高めに設定されることが一般的です。
4.カードローン
事前に設定された限度額内で必要な時に必要な金額を借り入れられる個人向けの融資形態です。場所や時間、使途に縛られないため、急な資金需要に対応できる柔軟性が特徴です。ただし、金利は比較的高めに設定されることが多いため、短期的な資金需要に適しています。
これらの融資形態を理解し、自社の経営状況や資金需要に合わせて最適な選択をすることが、効果的な資金調達につながります。今回はこの中から、一般的な銀行融資(プロパー融資)について詳しく解説します。
銀行融資のメリットとデメリット
銀行融資は、資金調達の主要な選択肢として広く活用されています。
そのメリットとして、主に低金利、利用限度額の高さ、経営干渉の少なさが挙げられます。その一方で、審査に時間を費やすこと、保障や担保を求められる可能性があること、審査の厳しさというデメリットも挙げられます。ここでは、銀行融資のメリットやデメリットについて詳しく説明していきます。
銀行融資を利用するメリット
1.低金利
銀行融資は、他の資金調達方法と比較して低金利で資金を借りることができます。
これにより、銀行融資の利用は、他機関からの融資を受けるよりも返済時の負担を軽減できるため、長期的な視点で事業計画を立てることが可能となり、安定した経営基盤を築くことができます。
2.借入の限度金額が大きい
銀行融資は、他の資金調達方法と比べて利用限度額が大きいという特徴があります。そのため、大型の設備投資や事業拡大に必要な多額の資金を一度に調達することができます。これは、事業の成長や競争力の向上を目指す企業にとって非常に重要な要素となります。
3.経営干渉が少ない
さらに、銀行融資を利用する際の経営干渉が比較的少ないことも大きなメリットです。融資を受けた後も、日々の経営判断や事業運営に関して、銀行からの過度な介入を受けることは少ないでしょう。これにより、経営者は自らのビジョンや戦略に基づいて、柔軟かつ迅速な意思決定を行うことができます。
これらのメリットを活用することで、企業は安定した資金調達を実現しつつ、事業の成長と発展を効果的に推進することができるのです。
銀行融資のデメリット
1.審査に時間を要する
まず、審査に時間を要することが挙げられます。銀行は慎重に融資先を選定するため、申込から実際に融資を受けるまでに数週間から数ヶ月かかることもあります。急を要する資金需要には対応しづらい面があるため、計画的な資金調達が求められます。
2.保証や担保を求められる可能性がある
次に、保証や担保を求められる可能性があります。特に多額の融資や長期の融資の場合、銀行は融資のリスクを軽減するために不動産などの担保や個人保証を要求することがあります。これは借り手にとって大きな負担となる可能性があるため、慎重に検討する必要があります。
3.審査が厳しい
さらに、審査が厳しいという点も注意が必要です。銀行は融資の返済能力を重視するため、財務状況や事業計画を細かくチェックします。特に創業期の企業や業績が不安定な企業は、審査をパスすることが難しい場合があります。創業期は政府系金融機関の日本政策金融公庫からお金を借りて事業が軌道に乗った後に、取引のある銀行に融資の相談をするほうが良いでしょう。
銀行融資を検討する際は、これらのデメリットや注意点を十分に理解し、自社の財務状況や事業計画と照らし合わせて判断することが重要です。
銀行融資の形態
銀行融資には主に4つの形態があり、それぞれの特徴や用途に応じて選択されます。
1.証書貸付
借入時に借用証書を作成し、契約に基づいて一定期間内に返済する形態です。一度にまとまった資金を低金利で調達しやすいため、設備投資や一年以上の長期運転資金の調達に適しており、計画的な返済が可能です。
2.当座貸越
事前に設定された限度額内で残高の不足時に随時借入れができる形態です。毎回審査を受ける必要がないため、運転資金の調達に適しており、柔軟な資金管理が可能です。しかし、限度額によっては担保や保証が求められることがあることに注意が必要です。
3.手形貸付
借入時に借主が金融機関宛ての約束手形を振り出し、その約束手形を担保にお金を借りる形態です。審査のスピードがスムーズであるため、一年以内の短期の資金需要に対応しやすい形態となっています。
4.手形割引
取引先から受け取った手形を、銀行に手形割引料を支払うことで支払期日前に買い取ってもらう形態です。これにより、売掛金の早期回収が可能となり、一時的な資金繰りの改善に役立ちます。
これらの融資形態は、事業規模や資金需要の性質、返済計画などを考慮して選択することが重要です。自社の状況に最適な融資形態を見極め、効果的な資金調達を行うことで、事業の成長と安定した経営基盤の構築につながります。
銀行融資を受けるまでの一般的な流れ
銀行融資を受けるまでの一般的な流れは、以下のようになります。
1. 申込:銀行融資は、銀行窓口やオンライン上での申込が可能です。また、初めに銀行に連絡を取り、融資の相談をすることもあります。この段階で、必要書類や審査の流れ、融資の条件などについて詳しく説明を受けることができます。
2. 書類の提出:銀行の要求に応じて、決算書や事業計画書、資金繰り表などの必要書類を提出します。ここでは、正確で信頼性の高い情報を提供することが重要です。
3. 面談:カードローンとビジネスローン以外で銀行融資を受ける際には、銀行担当者との面談が必要になります。面談では、融資の使途や返済の具体的な目途など書類だけでは判断しづらいことについて聞かれることが多いでしょう。
4. 審査:銀行は提出された書類や面談を基に、財務状況や事業の将来性、返済能力などを総合的に審査し、融資可否や融資限度額を決めます。また、この過程で追加資料の提出や面談の実施を求められることもあります。
5. 審査結果の通知:銀行融資を承認された場合は、融資条件の詳細が提示され、それをもとに契約を結ぶことで、融資が完了します。
この一連の流れは、案件の複雑さや銀行の方針によって多少の違いがあります。また、審査から融資実行までの期間は、1週間程度で融資実行される場合もありますが、案件によっては1~2ヵ月以上かかることもあります。
(参考:(株)帝国データバンク「令和5年度中小企業の実態把握に関する調査研究」)
書類の提出が不要!オンラインで即日借入可能な住信SBIネット
銀行の「事業性融資dayta」
住信SBIネット銀行が提供する事業性融資daytaは、銀行側から日々の入出金データをもとに借入条件を案内するサービスです。事業性融資daytaは、従来の銀行融資とは異なり、煩雑な書類提出が不要で、オンラインで即日審査・融資が可能となっています。そのため、融資を検討する事業者の負担の大幅な軽減やスピード感のある融資が可能となります。
事業性融資daytaの特長
住信SBIネット銀行が提供する事業性融資daytaが、従来の銀行融資と異なる特長は主に以下の3つです。
1.口座利用だけで借入条件をご案内
口座利用のみで銀行側から借入条件を案内することが大きな特長です。事業性融資daytaでは、住信SBIネット銀行口座の利用状況から所定の条件を満たしたかたに借入条件が毎月案内されます。そのため、今いくら借りることができるのかを知ることでき、資金繰りの不安が解消され、経営に安心感がでます。
2. 決算書など書類の提出は不要
また、決算書などの煩雑な書類提出が不要な点も特長の1つです。
一般的なの銀行融資においては、決算書や事業計画書、資金繰り表など多くの書類が必要で、必要書類の作成に大きな負担がありました。さらに、提出書類の漏れや、書類の内容に不備があると、銀行融資の審査が通過できない可能性もありました。そのため、決算書などの煩雑な書類提出が不要になることによって、融資を検討する事業者の負担を大幅に軽減することができます。
3. 手続きはオンラインで完結最短当日借入
さらに、事業性融資daytaの特長として、手続きの簡単さが挙げられます。すべての手続きがオンラインで完結するため、時間と場所の制約から解放されます。借入までにかかる手間がないので忙しい経営者は本業に集中することができます。加えて、最短当日での借入を実現しています。資金需要が急を要する場合でも、迅速に対応できるこのサービスは、事業展開のスピードを落とすことなく資金調達を可能にします。
事業性融資daytaのデメリット
即日借入可能な事業性融資daytaは利便性が高い一方で、利用には注意点もあります。借入条件の案内を受け取るためには、一定期間住信SBIネット銀行の口座利用が必要であるため、口座利用の少ない人は案内を受け取ることができない可能性があります。さらに、融資金は、設備投資には利用できず運転資金のみに利用可能で、借入金額は50~3,000万円で一般的な銀行融資より少ないことにも注意が必要です。
このように、「dayta」は従来の銀行融資とは異なる特長を有し、より柔軟で迅速な資金調達手段を提供しています。
まとめ
銀行融資は、事業資金調達の重要な手段として広く活用されています。本記事では、融資の基礎知識からメリットやデメリット、銀行融資の流れまで幅広く解説しました。銀行融資は、低金利で大型の資金調達が可能であり、返済期間の柔軟性も魅力です。一方で、審査が厳格で担保や保証人が必要な場合もあるため、慎重な検討が求められます。したがって、銀行融資を活用する際は、自社の財務状況を十分に把握し、返済計画を綿密に立てることが重要です。適切な融資を選択し、効果的に活用することで、事業の成長と発展につながるでしょう。